先月に、阿弥陀岳をコンティニュアスで登攀中のパーティが滑落し、アンザイレンでつながれたメンバーが巻きこまれて3人が死亡した遭難事故があった。
個人的な考えだが、スタカットではなくコンティニュアスで登攀することは、滑落した際の被害拡大のリスクをいたずらに広げるだけの下策だと思う。コンティニュアスをするならトップロープでビレイヤーによって確保された状態か、フリーの状態ですべきで、それができないのなら、おとなしくスタカットするしかない。
多くの場合、アンザイレンのコンティニュアスはフリーよりもかえって危険であると考える。コンティニュアスにおいて、いざというときの確保が非常に困難である以上、パーティのあるひとりが滑落して重大な事故に見舞われる可能性は、互いにアンザイレンされた人数倍に比例するとまでは行かなくとも、それに匹敵するほどリスクは高まる。だが、それだけでなく、アンザイレンされたメンバーが芋づる式に滑落した場合、その落下荷重はきわめて大きなものになるため、リスクだけでなく滑落時の被害の大きさも同時に高まることになりかねない。
登攀パーティの連帯責任を重視して、ただひとりの死もパーティ全員の死も変わらないというなら好きにすればいいが、そんな死なばもろともの精神で山に登るのは俺はごめんだ。
5月の連休は会社の同期と奥秩父に行き、その後は上越国境稜線を単独で縦走する予定。これで遭難して新聞沙汰になったらこのブログで俺がえらそうに書いてきたことがすべて全国にさらされて、ボロクソに叩かれるのかな。そんなことになったときのために、マスメディア向けにメッセージを書き残しておこうかな。みんなこれまでありがとう。でも、もう探さないでください、わたしは山の風になりました。
2024/1/5
なぜかこのページのアクセス数が多いので、後日コンティニュアスについて考えを整理して書き直した記事のリンクを貼っておく。