この記事が本ブログでなぜかもっともアクセス数が多いようなので、クライミングにおけるコンティニュアスについて改めて自分の考えを整理しておこうと思う。山岳ガイドやよほどの熟練者でない限り、安易なコンテはかえって危険を招くという俺の考えは変わっていないが、記事中の言葉遣いでいくつか補足・訂正したいところがある。
コンティニュアスをするならトップロープでビレイヤーによって確保された状態か、フリーの状態ですべきで、それができないのなら、おとなしくスタカットするしかない。
「トップロープでビレイヤーによって確保された状態」という言葉で想定したのは、フィックスロープでの同時登攀という意味だった。つまり、先行する登攀者がリードで上へ抜けたあと、セカンドビレイするか、もしくはロープを終了点に固定してフィックスロープとする。その後、複数人のフォロワーがフリクションヒッチやロープマンでセルフビレイしながら同時登攀するというものだ。これは3人以上のパーティで沢登りをする際によく使われるシステムで、通常はこれをコンティニュアスとは呼ばないだろう。
「フリーの状態ですべき」というのは、もちろん、ロープを使わずに各自がフリーソロでクライミングをするという意味だ。確保するまでもないならアンザイレンする必要もない。
多くの場合、アンザイレンのコンティニュアスはフリーよりもかえって危険であると考える。
これについて俺の考えは変わっていないが、何がなんでもコンテを絶対に避けなければいけないとは思っていない。冬のアルパインではクライミングと歩き、あるいはちょっとしたクライムダウンが交互に出てくる場面がしばしばあり、歩きの区間が短い場合はロープをつけたまま同時行動した方が時間短縮になるかもしれない。だが、歩く距離や状況によっては必ずしも時間短縮にならず、ロープを解いて片付けてしまった方が早いケースもある。個人的には、コンテの状態で(=ロープを肩に巻き、パートナーとの間のロープ長さを調整しながら)歩き続けるのはやりづらいことこの上ないので、とっととロープを解いた方が効率的だと思っている。
コンテ登攀中でも滑落を止められる技術のある熟練クライマーはその限りではないだろうが、趣味としてクライミングをたしなむ大多数の一般人にとって、やはりコンテはスタカットで登るクライミングの隙間的な要素でしか意義がなく、コンテ主体でのクライミングはありえないと感じる。