2016-01-01から1年間の記事一覧
積雪期の八ヶ岳に行ってきた。美濃戸口から行者小屋を経て文三郎尾根から赤岳に登頂し、地蔵尾根から降りるルートである。 稜線上の気温は-7℃で、強風がすさまじかった。手袋を二重にしていたが、それでも指先が冷たくなった。山頂で昼食を取っているときは…
俺が以前食事に誘ってみたという職場の先輩は、「三四郎」に登場する美禰子にとてもよく似ている。彼女は美禰子ほどプライドが高くはないようだし、明敏でもなさそうだ。美貌もそれほど群を抜いているわけではないかもしれない。だが、コケットリーを振りま…
あのとき、クリスマス・イブの夜に俺に何があったか? ロンゴスの恋愛物語「ダフニスとクロエー」を思い出してほしい。牧夫ダフニスは村の少女クロエーと互いに惹かれ合い、やがて野原に寝そべって抱き合ったり口づけをする。しかし、牧夫ダフニスはまだ若く…
12月29日に美濃戸口行きの夜行バスに乗り、翌30日に南八ヶ岳の赤岳に行ってくる。晴れていればいいが。
12月20日に天神平にて雪山技術講習会に参加し、翌日21日に天神平から谷川岳をピストンした。すばらしく晴れていたのでよい写真が撮れたのだが、下山中にデジタルカメラを落として紛失してしまった。雪山デビューを飾れたのがうれしい一方で、いろいろこだわ…
ジャン・ジュネの「泥棒日記」を携えて谷川岳へ。
彼女から誕生日祝いで、レインボーブリッジを一望できるホテルの高級レストランでディナーを奢ってもらった。いろいろ書きたいことはあるのだが・・・・・もはやブログでは無理だ。嬉しいというよりつらい気持ちが先行する。 山は孤独になれるからいい・・・…
俺という外壁に対するあらゆる他者の視線は、外壁の裏側から密かに入りこんでその内容物を既知のものにあらかじめすり替えておこうとする野心につねに満ちみちているので、俺の肉の内部はその視線が張りめぐらされた空洞となり、操り人形のように動きはこわ…
ウルトラマラソンの経験がある会社の先輩を知って、マラソンに興味をもつようになった。とりあえず10キロをノンストップで走ってみようと思う。冬はなかなか縦走登山ができないから、いい運動になるだろう。
これまでに築いてきた信念や情熱さえも粉々に砕いて、いっそのことこの世に生まれてこなきゃあ良かったと思えるほどの壮絶な山登りをしてみたい。 この肉体が一刻も早く地上から吹っ飛ばされてなくなることだけを望むような山行を一度だけしたことがある。大…
いま振りかえると、就活の面接では、「一年か数年で会社を辞めてしまわない奴かどうか」という観点でも面接官に評価されていて、それはもしかしたら俺が考えている以上に採用の判断において大きな比重を占めていたのかもしれない。そりゃ俺が落ちまくるわけ…
20日と21日のおおまかな計画は以下の通り。 まず、講習会前日の19日夜に出発し、高崎駅で降りてネカフェ泊。翌日の20日はテントや寝袋を谷川岳ロープウェー駅のロッカーに預けて講習会に参加。講習会終了後はロッカーに預けた荷物を取り出して、土合駅の中で…
ベンチプレスで自分の体重より重い重量を持ち上げることができるようになった。5月と比べると重量にして2倍近い。こうして鍛えた腕の力は登山でいつか必ず役に立つときがくると思う。来年度までに70キロを持ち上げられるようになりたい。 雪山講習会の翌日も…
雪山登山技術実践講習会がたったの3時間半で17000円も取るのかよ。ピンサロかおっパブじゃあるまいし、ふざけてんのか。
スーザン・ソンタグの「反解釈」をちょろちょろと読む。著者はカミュを素晴らしくよく理解している。
ピッケル、予備用の手袋、ゴーグルを買った。 雪山装備の出費がすさまじい。再来週に参加予定の雪山講習会でも参加費や交通費がかかってしまう。
来夏は旭岳からトムラウシ山を経て、十勝岳まで大雪山の大縦走をしてみたい。想像するだけで期待と怖じ気に心が震える。 山ガールは夏の北アルプスに多く生息しているらしい。特に雲ノ平近辺に出没するであろうと俺と会社の同期は踏んでいる。
フォークナーの「響きと怒り」で、まるで心に焼印を押されたかのように強い印象が残っているのはクエンティンが語り手となっている第二章であるが、人生に対するあらゆる苛立ちと苦々しさに満ちたジェイソンの語り(第三章)も素晴らしい。また読みたくなっ…
11月26日から27日にかけて、会社の同期と丹沢を縦走してきた。木曜日の降雪で丹沢北部は一面雪で覆われており、雪山を楽しむことができた。次に雪山に行くならば、ぜひ北八ヶ岳の北横岳と蓼科山に登ってみたい。そして願わくば、今シーズンに冬の赤岳に挑戦…
三年前の自分の日記を読むと、あのときの俺は、世界に対してただひとりの単独者として向き合うには、みずからの選択を真に倫理的なものに溶接させねばならないという強迫におびえていたように見える。当時、大学院入学試験前後に書き残したものをいくつか引…
スカルパのモンブランGTXを買った。購入を検討中のアイゼン(ブラックダイヤモンド・セラックプロ)を試着して、サイズが適合していることを確認した。しかし、今もってる10本爪アイゼンでも装着できることがわかったので、アイゼンの新規購入は見送ることに…
俺が女性を一度好きになると、理想的な端正さから彼女の顔立ちが逸脱していることさえも、俺の目には自然の采配が成しとげた完璧な調和のように映る。さながら、職人が石版を彫りきざむことで、古代ギリシアの女性が身につけるキトンの艶やかな悠然さをレリ…
モンベルのストリームジャケットと冬山用の極厚手の長靴下を買った。少しずつ冬山装備が揃いつつある。すでにバラクラバとベースレイヤーとフリースを買ってあるので、あとは登山靴とアイゼンとピッケルとゴーグルを買えば一通りそろう。 山登りのことや、社…
「それでも夜は明ける」を観た。トニ・モリスンの文学を知る上で、ソロモン・ノーサップの生涯とその伝記は非常に重要な位置を占めているかもしれない。 そろそろ山に登らないと精神が潰れそうになる。会社だの仕事だの人間関係だのクソ食らえ。そんなものは…
「肉体の悪魔」の語り手の声が徐々に俺の内部に闖入してきて、しまいには憑依して乗り移ってしまうように思えてきた。そうでも思わないと今の状況はつらい。 俺が女性を意識するのは、自分は男だという性自認と、この社会がくり返し反復・強化する異性愛の表…
今さらではあるが、このブログを書くためのidはwagahimitu、つまり、ルネサンス期の人文主義者であるペトラルカの手による対話形式の著作「わが秘密」から採っている。ペトラルカは悪徳にふける自分を教化し唱導してくれる対話相手として、みずからの著作に…
「イントゥ・ザ・ワイルド」「Vフォー・ヴェンデッタ」を観た。
10月22日に日帰りで雲取山に行ってきたのをここに記録するのを忘れていた。七ッ石山まではコースタイムの半分程度のペースで飛ばした。七ッ石山山頂で一人焼肉をしてバカ食いしたために、身体の調子が狂ってしまい、雲取山まではゆっくりめで歩いた。 日原に…
会社の先輩で、気になっている女性を食事に誘ってみたが、「職場の歓送会のときならいいよ」と無難に断られた。俺はその先輩を前にしてどぎまぎするのを隠しおおすことができなかったので、そのぎこちなさは、物言いを、さぞかし相手を詰問して試すようなひ…
プーシキンの「エウゲーニイ・オネーギン」とトルストイの「アンナ・カレーニナ」は俺にとって恋愛の指南書だ。あるいはラディゲの「肉体の悪魔」でもよいが、それだと偽悪的な快楽主義に偏りすぎてしまう気がする。