思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

2級クライマー

ボルダリングについて。2級課題を2つ完登することができた! このジムは以前に通いつめていたジムよりも確かに課題が甘めではあるが、素晴らしい快挙だ!

 

俺はジムに来ている他の人と課題について話し合ったり、登っている人に「ガンバ!」と応援することはほとんどない。いっさいないと言っていい。俺が登っているときに声をかけて応援してくれる人がたまにいるが、うっとうしいので黙殺している。周りからは、さぞ無愛想で感じの悪いやつに見えることだろう。応援してくれる人には申し訳ない気持ちもあるのだが、他人との交流は俺にとってひどくストレスで、不愉快ですらある。

山に登ること、岩にかじりついて登ることは誰かと一緒にするというものではない。単独行こそが登山の本質であり、それ以外の山行は価値が劣るものだと言いたいわけではない。登るということは――たとえパートナーのビレイによって安全を確保されていたとしても――、誰か他の人が代わりに登ったり吊り上げたりするのではなく、俺が自分自身の力で登らないと実現できない行為であり、他の誰でもないこの俺だけが現状を推し進め、打開し、成し遂げる可能性を握りしめているのだ。その実感こそが登るという行為に熱情を吹きこみ、いろどられたその詩情によって、ちょうど砂漠のど真ん中に不時着したテグジュペリが感じたときのように精神は鼓吹される。

ところが、この高貴な高揚の感覚は他者の眼球、そこから発される放射線に対して非常にもろく、視線にさらされると、まるで風化の進んだ角礫岩のように表面からぼろぼろと崩れ落ちてゆく。きらびやかな建築物が粉々に毀損されて取り返しのつかなくなるのを目にして、俺は冷静さを保つことができない。これが――いささか不当ではあるにしても――、冒頭の不愉快の根源をなしている。