思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

谷川岳 一ノ倉沢鳥帽子沢奥壁南稜

5月8日は三つ峠で山岳会のクライミング講習だったが、リーダーが初心者に講習をしているあいだ特にサポートする機会もなかったので、パートナーと適当に1ピッチ登っては懸垂下降の練習をしたり、人工登攀の練習をしていた。

その後パートナーと谷川岳方面へ向かい、翌5月9日に一ノ倉沢鳥帽子沢奥壁南稜を登ってきた。2年前は山岳会の先輩に連れられるがまま、わけがわからない状態でフォローで登るだけだったが、いまやリードでスムーズに登れるようになるまで成長した。呉下の阿蒙にあらず

 

f:id:wagahimitu:20210512003510j:plain

f:id:wagahimitu:20210512003620j:plain

f:id:wagahimitu:20210512003606j:plain

今週末は山岳会の別の知人と組み、鳥帽子沢奥壁の変形チムニーと南稜フランケに登る予定。なんでこんな切羽詰まったようにアルパインライミングをしているかって? 今すぐ死んだほうがマシかと思えるくらいに仕事がクソつまんねえから、死へ身を投じる価値のあるものへ突き進んでいくことによって、レメディオス・バロの描く修道女のように、せめて俺がまだ俺の人生という操舵棒を握りしめていることを実感していたいのだ。

 

俺は他人の心証というやつにクソをねじ込んで、汚臭にむせ返り何も言えないでいる様を尻目にして山に登りたい! 山に登る俺の背中を、泣きはらして真っ赤になった目で恨めしげに眺めていてほしい! そして俺が寛大にも山からこの地上に下りて、他人の心証というやつのもとへ駆け寄るときも、クソを詰めこまれた臭い口で歯ぎしりを立てて、どうか俺を許さないでほしい! そうしたら俺は俺の寛大さの上にあぐらをかき、良心の優越感をたっぷりと噛みしめることで、他人の心証の権威に思うさま唾を吐きかけることができるから! それで俺はやっと、クソと涙と唾にまみれた他人の心証に優しく微笑みかけることができる気がする。

 

俺がこの岩壁を登攀するとき、お前たちが光きらめく珠玉と思い込み、抱きかかえて後生大事に撫で回しているものは臭気を撒き散らす糞袋となる。汚臭に我慢できずにげえげえと嘔吐を撒き散らして、死んでもなおそこに恥辱だけが残るような死がお前たちを待っている。

 

f:id:wagahimitu:20210512004351j:plain