アユタヤ近くで高速道路から降りたすぐそばに、Ayutthaya City Parkというかなり規模の大きい商業施設があり、スーパーマーケットの他にアパレルやスマートフォンの小売店、多種多様な飲食店ばかりか、映画館もテナントとして連ねている。
休日の暇なときはこのモールに訪れて、昼食もかねて2時間ほどぶらぶらすることがある。今日はたまたま一画に書店を見つけることができたので、どんな本が陳列されているのかつぶさに見る機会に恵まれた。
まず驚いたのが、女性向けラノベの充実ぶりである。
内容は理解できないが、おそらくここに陳列されているのはすべて女性向けBL(ボーイズ・ラブ)小説と思われる。どこかで見たことのあるような、似たような絵柄の表紙がずらりと並んでいる。
BL小説の棚の裏に並んでいるのは、やはり女性向けのラノベで、これはBLではなく、いわゆるTL(ティーンズ・ラブ)系と思われる。ハーレムものも混じってるようだ。
こちらの棚は(普通の)ラノベコーナーになっていて、「狼と香辛料」「とある科学の超電磁砲」「Re:ゼロから始める異世界生活」「ソードアート・オンライン」など、有名なタイトルがずらりと並んでいる。それと、「29とJK: 業務命令で女子高生と付き合うハメになった」がこれらのタイトルと並んで棚差しされているようだが、タイ人はそういうのが好きなのか・・・?
海外文学の棚はラインナップが非常に興味深い。残念ながらすべてのタイトルや作者を見分けることはできなかったが、タイ語に翻訳された夏目漱石「吾輩は猫である」、セルバンテス「ドン・キホーテ」、モーリアック「テレーズ・デスケルウ」、カザンザキス「その男ゾルバ」、ナギーブ・マフフーズ「泥棒と犬」、ジョージ・オーウェル「1984」を確認できた。また、ドイツの短編小説を収めた書籍には、カフカやブレヒトの作品が翻訳されていた。カザンザキスやナギーブ・マフフーズなどは、日本の一般書店ではめったにお目にかかれないだろう。日本とは趣が異なっていて非常に面白い。
最後にこの写真を見てほしい。BL本がずらりと平積みされたその右隣りに、プラトンの「国家」が並んでいるのである。この混沌もまた素晴らしい。