思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

仕事がつまらん

10月中旬からまたアユタヤへ出張することになった。おかげでクライミングコンペに参加できなくなった。まあいいよ、どうせボルダリングジムに通い詰めてもまったく上達しないんだし・・・

 

日本に戻ってまた事務所での業務が再開する。やはりつまらん。なぜ技術職なのに、自分で手を動かしてデータを取るという技術の基本的な要素がいっさいないのだ? 俺はいまの自分の仕事にまったく誇りが持てないし、所属部署の存在意義さえまったくわからない。タイ工場の現地スタッフだけで業務を切り回したほうが馬鹿みたいな時間のロスもないし、お互いに英語で無駄な情報共有をする手間も省ける。武漢にあるファーウェイ子会社・ハイシリコンR&Dセンターに横溢する、闊達で民主的な雰囲気を目の当たりにしたあとでは、俺は自分が21世紀の資本主義国家で働く技術者ではなく、19世紀ロシア帝政下のサンクトペテルブルグで膨大な書類に埋もれて死に際の病人のように仕事をする――ゴーゴリの「外套」に登場する、あのかわいそうなアカーキー・アカーキエヴィチのような――みじめな下級官吏のひとりに思えてくる。

 

この不本意な仕事の日々の中で、俺は自分が人生でなにを望んでいるかをずっと考え続けてきた。それは博士号を取得して物理工学の専門知識を活かすということ、そして海外に居住するということだ。アメリカが無理なら、せめてシンガポールや香港の大学院に留学すべきなのではないだろうか。