思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

エヴゲーニイ・オネーギン

金曜日夜から大阪に滞在している。研究室の同期や後輩に会い、教授に一年ぶりに挨拶するのが主な目的だが、ついでに親戚への挨拶や京都にいる旧友にも会おうと考えて、月曜日まで滞在することにした。あいにく土曜はホテルの予約が取れなかったため、この日だけはカプセルホテルではなくネットカフェに泊まっている。

 

俺のそばへと屈託なく近づいてくる奇特な人たちを除いて、なぜ俺はあらゆる人間に対して、――それが好意を寄せている女性であっても――、「きみのことはひとりの人間として尊重しているが、それは俺があらゆる人間に対してわけ隔てなく尊重する限りにおいてそうするからであって、きみがほかの人間となにかがちがうわけではないということを知っておいてほしい」というぎこちない頑なさを崩すことができないのだろう。

どうして俺は他人に興味をもつことができず、小気味の良い会話や冗談で相手を楽しませようとする意思をもつことさえできないくせに、タイ人のNとのlineをひそかに日々の楽しみとし、そしてその一方で、すでに連絡が途絶えたにもかかわらず、Kを想い続けることで責めさいなまれる苦悶を手放すことができないのだろう。

Kよ、きみは、俺が山に登るたびに自分のものとしてきた、他者に対する公平な傍若無人さを俺からすっかり奪い取ろうとしている。単独で山に登る傲岸な強靭さを俺から抜き去り、この足腰をすっかり萎えたものにさせようとしている。Kよ、俺はたとえ自分が乞食のように落ちぶれたオネーギンで、きみがこともなげに告白を振り捨てるタチヤーナであってもかまわない! すべてはもう遅すぎた、だが俺はオネーギンであることをまだやめることができないでいるのだ!