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思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

星の王子さま」を読んだ。「人間の土地」の方が好きだな。

 

ジェイン・オースティン「エマ」について。エマは軽薄な階級主義者、偽善に満ちた啓蒙主義者に思えるかもしれないが、彼女の頭の回転の速さと立ち居ふるまいの即妙さを考えると、もう少し複雑な人間であると考えるべきだ。彼女のとち狂った発想は、人間関係の網の目からできた実際の社会のありようが、社会について自分が了解している観念のひとつの模倣であり、現状は事あるごとに観念を模範として矯正されねばならないという強迫的な義務感からきているように思える。その倫理観が実際の行動に向かうかは別として。

あるいは、エマは、自分が感じていることと世間一般の見方をうまく区別することができないというより、世間一般の考え方を誤解して、その誤解を元に自分の価値観や行動規範を組み立てているので、彼女には、人間関係の慣習がつねに本来のあり方から外れた、失態と不体裁に満ちたものに感じられる。いかにも自分が道義的な優位にあるはずだというエマの態度は、自分が世間というものの正しい代表者であり、その弁護者でもあるという確信に裏づけされている。彼女は自分が先輩風を吹かせたいと思っている年少者を除いて、人々の過ちを何が何でも正してゆく啓蒙主義者でありたいとは願わない。「ひとりだけ高い所に置かれるのは、のけ者にされたみたいでいい気持ちはしな」いのは、そのためである。