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思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

「悲劇の誕生」を読んだ。ソクラテスから発する楽天的な主知主義に対するニーチェの洞察が興味深い。

 

楽天主義が、その立場から疑いえない「永遠の真理」と称するものをよりどころとして、いっさいの世界のなぞも認識し究明することができると信じ、空間・時間・因果律を、もっとも普遍的な妥当性を持つ、完全に無制約な的な法制として取扱ってきたのに対して、カントが暴露したことは、元来これらの法則がどういう役割をはたしているかといえば、マーヤーのわざである単なる現象を唯一最高の実在に祭りあげ、現象を事物のもっとも内部の真実の本質のかわりにおくにすぎないということ、従ってまた本質の実際の認識を不可能にするだけということ、つまりショーペンハウアーの言い方によれば、夢みているひとをさらに深く眠りこませることに役だっているにすぎないということであった。」

 

かれはここで現前の形而上学を批判しているのである。レヴィ=ストロースに言わせるならば、ここで批判されている方法とは、現象と実在とのあいだの連続性を求めることで、形而上学を廃止する代わりに「形而上学にアリバイを見つけてやる」ための思想にも当てはまることになるだろう。つまり、それは実存主義現象学である。