思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

旧約聖書における歴代預言者のことが気になってきて「エレミヤ書」を読んだ。「エゼキエル書」を読む。

 

ズヴェーヴォ「ゼーノの意識」の新訳が岩波文庫から発刊されていた。俺が自宅に所持しているのは1978年の集英社世界文学全集の一巻に収められたもので、2段組みなので読む気がなかなか湧いてこなかったのだ。文庫本だと気軽に読めるような気がしてくるから不思議だ。

 

カミュ「ペスト」の新訳が岩波文庫から発刊されていたことも知った。アルベール・カミュの作品が死後60年経ってこの暗い時代に世界中で再読されるようになるというのは感慨深い。文学とは、現代人が自分たちの立ち位置を振り返るために参照する、焦点距離が未知のレンズのようなものだ。戦後間もない時代では「ペスト」は全体主義の隠喩だったが、新型コロナが猖獗を極める現代では、文字通り未知の疫病そのものとして受け止める読者が多いことだろう。優れた文学は、要素の意味とメッセージを分析・解釈しようとする読者の視線をその内部で屈折させ、光線を集束させてただひとつの実像を形成させることがついにない。時代やバイアスによって異なる読者の甘い見込みや期待は作品の内部で無数に発散させられ、読者の側に各々の虚像を写し返す。それは作品の単一の意味や思想として解釈されるべきイメージではなく、われわれが批評し検証し、ときとして問いただすべきような、われわれ自身についての見解なのだ。