タイのアユタヤに出張して4日目。いくら残業しても追いつかないほどの業務量のため、会社から引き上げる時刻はどうしても遅くなる。また、帰りがけは駐在員とともに日本料理店に寄って飲み会に付き合わされるため、滞在ホテルに帰るのは毎日夜の11時ごろになる。こんな調子ではクライミングのトレーニングどころか、体力づくりのためのランニングさえまともにできやしない。飲み会は本当に不愉快で、たとえ贅を尽くした豪勢な料理を奢られたとしても行きたくない。
週末は先輩についていってバンコクを観光する予定で、そのときに近場のクライミングジムに訪れることがなによりの楽しみだ。テーメーカフェにいる風俗嬢をホテルに持ち帰って夜遊びをするときの昂奮と、一週間ぶりにクライミングする喜び、この両者の発揚の度合いを秤にかけて胸中で慎重に計測してみたところ、後者がわずかに上回ることが判明した。どういうことなの
