思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

カオティックキャビティにおける電子散乱の、古典論から量子論への移り変わりを記述する理論の実験的検証を研究テーマにできないかな。たとえこの一年で検証できなくても、取り組む価値はあるかもしれない。

 

フォークナー「サンクチュアリ」を読んだ。グッドウィンの内縁の妻ルビーのたたずまいが、ホーソーン「緋文字」のヘスターにかぶる。グッドウィン夫妻はアメリカ南部(ミシシッピ州)のバプティスト派の住民の偏見と暴力に圧し潰される。一方で、ヘスターの悲愴な生き様は、アメリカ北東部のニューイングランドに漂うピューリタニズムの濃厚な雰囲気のもと、住民の非寛容さというよりむしろ、彼女自身の宗教的敬虔さによって一層際立つ。舞台となる時代も、20世紀前半と開拓時代の17世紀とまったく異なる。にも関わらず、両者になにか類縁的なものが感じとられるのは、そこにおそらく悲劇的人物に寄り添おうとする作家の態度があるからだろう。それも、いくぶんか耽美にも似た尊崇の思いがこめられているようである。

しかし俺はこういう小説はあまり好みではないし、評価もしない。残念だが、どちらもまったく面白みが感じられなかった。