思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

限界を越え出るような経験

かつて登攀したことのないルートは立ちはだかるがごとくに険しく困難に思え、それゆえに燦然と輝かしいものとして俺の憧憬を育む。しかし、一度完登してしまえば、大半のルートは途端に色褪せ、矮小で取るに足りないものに頽落してしまう。明星山南壁 フリースピリッツも谷川岳一ノ倉沢 南稜フランケも、さらには不帰岳1峰尾根も三峰川岳沢でさえも、なんなく登れたという時点で今となっては始めから登る価値はなかったかのようにさえ感じられる。

これらのルートは、俺が乗り越えることのできる限界の枠内に行儀よくこじんまりと収まっている、小綺麗な家具のようなものに過ぎない。もしリビングに並べられたこれらの調度品がいかに見栄えしているか、その配置が互いにいかなる調和をなしているかを来訪者に説いたりすれば、俺はとたんに自惚れた小金持ちとしてその醜態をさらすことになろう。だがそれ以上に真に俺を怖れさせるのは、グロテスクに飾り立てられたこれらすべてを、まるで正当な請求権を生まれ持った真理専用の人間であるかのように後生大事に抱え持って一生を生き、そしていまわの際になって、水晶玉のように美しく思われていたものが残らず血と糞にまみれた汚物の塊であることを暴露されながら、虚栄とまやかしの恥辱の中で暗い土の底へゆっくりと沈んでいくことではないか?

だから俺がこのようにうそぶくことで、とうてい完登することのできないルートにこそ価値があると言いたいわけではないことをわかってほしい。俺が登ったルートは、俺が登ったというただそれだけの理由で、お前らが登ろうが登るまいが、はなからゴミみたいなものだ。

プリーモ・レーヴィ「休戦」の映画化作品「遥かなる帰郷」を観た。

 

日曜日はリードクライミングのジムで練習していた。そのときの成果は以下の通り。

5.12b=2回目のトライでレッドポイント。通算5回のトライ

5.12a=2回目のトライでレッドポイント

5.12c=2回トライしていずれもレッドポイントできず。2回目はテンション1回でトップアウト

5.12c=1回だけトライしてトップアウトできず

5.12a=オンサイト

大武川一ノ沢大滝 アイスクライミング

1月27日-28日に甲斐駒ヶ岳 大武川一ノ沢へアイスクライミングしに行ってきた。下の大滝50mと一ノ沢大滝を登攀。オールフリー・ノーテンションで登れてよかった。170mの一ノ沢大滝は遠目で見ると壮麗で見事。しかしアイスクライミングとなると、米子不動の厳しさに比べればこんなものは子供だまし。

これほど深刻な放射線被曝事故が起きているにもかかわらず、報道機関の注目度はあまりに小さく、日本製鐵はその社会的責務や再発防止義務から逃避していると考える。日本製鐵は過去にも重大な労働災害を繰り返し起こしているが、社員の安全を後回しに考える企業文化が根本にあると考えるべきで、企業の責任はもっと糾弾されるべきだ。

先週の日曜日は久しぶりにリードクライミングのジムに行った。3つの5.12b課題にトライしてかなり苦戦した。リードのジムは半年ぶりだからこんなものだろう。そうだとしても、明らかにグレードが辛くなってる気がする・・

 

5.10b=オンサイト

5.11c/d=オンサイト

5.12b=5便目でようやくレッドポイント

5.12b=2便目でレッドポイント

5.12b=3便出したがレッドポイントできず

5.12a=疲れてトップアウトできず

 

最近買った山道具

積雪期アルパインのシビアな環境、そしてしばしば技術的にも限界に近いルートの場合、やはり装備やギアで妥協することは避けたい。自分のパフォーマンスを押し上げてくれる新しい道具があるなら惜しみなく購入したくなるもので、俺のように頻繁にアルパインライミングに行くならなおさらだ。その代わりに、使わなくなったり劣化したギアを中古品として売却すれば、買い替えにともなう金銭的な負担を可能な限り抑えることができるだろう。幸いなことに、クライミング関連のギアはメルカリで良い価格で売れることが多く、例えば2-3年使用したカムやアイススクリュー、クイックドローの相場は新品価格の7-8割を保っているようだ。装備の新陳代謝を高めて最新の道具を手元に揃えておくことがそれほど大きな負担ではないことに気づいたので、直近もいろいろと道具を購入してしまった。

しかしハードシェルやダウンなどのウェアとなると話は別で、良い価格で中古品を売却することはかなり難しい。破れたりかぎ裂きができたウェアは、可能な限り自力で補修しつつ丁寧に使い続けていくのが良いだろう。安価に補修する方法については改めて別の記事で整理してみたいと思う。

冬季のクライミングはアプローチで長距離を歩くことが多く、重い幕営装備を担いで深雪をラッセルすることもしばしばある。いままではストック無しで頑張ってきたが、冬のアルパインをする知人の多くがダブルストックを使っているようなので、見習って購入してみた。さっそく12月以降のハードな山行でたいへん助かっている。

アバラコフによる懸垂下降用に22cmのアイススクリュー1本を購入した。

北岳バットレスの山行で回収し忘れて紛失したので再購入した。このサイズのカムはなにかと重宝するので、岩登りでは持っていきたい。

今まではブラックダイヤモンドのワイヤーゲートタイプのクイックドローを使っていたが、カラビナのノーズが手袋やスリング、ロープに引っかかって鬱陶しいので、ノーズに突起がないハイエンドモデルのクイックドローを購入した。国内で買うととんでもない価格だが、海外のオンラインショップにて半額程度で入手できた。本当はアルパインヌンチャクに使うカラビナもすべて突起がないタイプに替えてしまいたいのだが、これはいまのところ妥協せざるを得ない。

今までは冬季用のハーネスとしてブラックダイヤモンドのテクニシャンを使っていたのだが、ベルトを締めるのにひと苦労で使い勝手が悪かったので、評判の良いアークテリクスのハーネスを購入した。サイズがやや大きかったかもしれないが、快適に使えている。

ゲイターにかぎ裂きができるたびに丁寧に補修しつつ長いこと使ってきたのだが、4年間使ってきて生地がだいぶ弱ってきたので、同一のゲイターの新品を購入した。