思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

「恐怖の報酬」を観た。舞台は第二次大戦後間もない時期のベネズエラだろうか。富を独占するアメリカ資本の石油会社、低賃金で危険作業を強いられる日雇い労働者。石油会社の膝下の街に現地民と混ざって暮らすのは、ユダヤ系ドイツ人、イタリア人、あるいはフランス人(主人公はコルシカ島出身)であり、いずれにせよ本国に帰ることのできない事情を抱えた周縁的な欧州系移民である。この映画では、石油会社の管理職であるアメリカ人と「かつていっしょに仕事をしていた」というフランス系移民が、ニトログリセリンの運送という命がけの日雇いにまで身を持ち崩し、報酬を受け取ることもなく道半ばで死に絶えるさまを描いている。帝国主義を掲げて覇権を争ってきた欧州が、第二次大戦が終わり、膨張したアメリカの酷烈な資本主義に圧倒されて、いまやかしずく格好となったことを示唆している。