思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

仏教

俺が仏教の神々や世界観に興味をもちこそすれ、その教えにまったく惹かれないのは、仏教が苦しみや感情の起伏をきわめてネガティブに捉えているだけではない。救いや慈悲という言葉には、人生やこの世界に横たわる巨大な不条理に対してわれわれの肌膚を鈍感にし、あたかも家畜を屠殺してその肉を選り分けるように、世界を苦しみと苦しみでないものにいともたやすく分断することで、その計量をもとに打算的に振るまうことができると信じさせるような浅ましさが染みついているように思えるからだ。

教えを説く人に聞いてみたい。俺はあなたが苦しみと感じるもののなかに来たるべき熱情を透かし見るし、あなたが平穏と呼ぶもののなかに引き裂かれるような悲哀を予見するのだが、それでも苦しみは平穏へと変えられなければならないのだろうか。輪廻というものがあるとして、肉体が滅んでも恥辱だけが残るような死をわれわれが繰りかえしてきたとしたら、この恥辱のうずたかい堆積の重荷にわれわれは耐えきれるのだろうか。