「宮本から君へ」を読み返す。自分が、網の目にとらえられて全身を金縛りにされ、ヘラヘラ笑ってその場をやり過ごすだけの縮こまったサルではなかったことをようやく思い出す。そして思い出すのはフォークナーの小説だ。ジョー・クリスマス、ポパイ、トマス・サトペン、ジェイソン・コンプソン、お前たちの怒りにこの社会は恐れおののき、慌てふためいてなかったことにしようとするだろう。さもなければ、裏切り者への憎悪とともにお前たちをびしゃびしゃに叩きのめし、その怒りが不遜で恥知らずなでしゃばりだったことを広く知らしめようとするだろう。だが、俺は、銃口を自分の頭に突きつけてぎりぎりと撃鉄を引くようなお前たちの暗い憤怒と連帯する者である。
"いいね!"を集めるクソソシャゲ
マッチングアプリについて。10人以上の女性とマッチングはしたものの、メッセージのやりとりがほとんどないか、返信すらいっさいない場合が多い。女性は無料で使えるアプリなので、おそらく片手間で暇つぶしに使っている人が多いのではないかと思われる。あまりに相手が消極的なので、女性から”いいね!”をもらって悦に入ることが目的になってしまいそうになる。この誘惑は、このアプリ使用者の男女比のバランスの悪さに起因しているのだろう。だが、"いいね!"を集めてその数を競う、このクソみたいなソシャゲに数千円払った自分の愚かさを呪うには、不幸なことにこの俺はまだそれほど女慣れしていない。
マッチングした女性の一人が登山を趣味にしているようで、雪山装備について知りたいから登山用品店に行きましょうと誘ってきた。どういうデートやねん。そのうえいつ会えるのか見当さえつかない。あまり期待しない方が良い。
入社二年目の新人研究発表が終わり、新しい仕事が始まった。