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思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

これまでに築いてきた信念や情熱さえも粉々に砕いて、いっそのことこの世に生まれてこなきゃあ良かったと思えるほどの壮絶な山登りをしてみたい。

この肉体が一刻も早く地上から吹っ飛ばされてなくなることだけを望むような山行を一度だけしたことがある。大学のワンダーフォーゲル部に入部して間もなく、31キロのザックを背負い、二口山塊を12時間ほとんどぶっ通して歩き続けさせられた新人錬成合宿のときのことだ。俺はあのとき、この苦しみから解放されるために一息に喉をかき切ることができたろうにと、刃渡りの長いナイフがこの手に与えられていないことをこの上なく口惜しく感じていた。悔しさや悲しみで感極まって人が涙することはよくあるが、ただ純粋な肉体の苦しみのみによって号泣したのは、後にも先にもあのときだけである。

軋み、押しつぶされ、うめく肉と骨に対してこの上なく明晰であるとき、肉体は地上の果てまで押し拡げられ、ちょうどヒエロニムス・ボスの「快楽の園」で描かれているような音楽地獄の殿堂と化す。