思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

城ヶ崎でフリークライミングふたたび

3月16-17日に城ヶ崎へフリークライミングしに行った。初日はシーサイドロックのサンセットエリア、2日目は門脇崎へ行き、体力の持つ限りフェースとクラックを登りまくっていた。そのときの成果は以下の通り。トラッドの最高グレードを5.11bに更新できた。

 

【サンセットエリア】

風に吹かれて (5.11b)=オンサイト

サイクロン (5.11b)=3便目でレッドポイント

チリコンカーン (5.12a)=へとへとに疲れた状態で一度トライするがトップアウトできず

赤道ルーフ1P目 (5.10c)=トップロープで再登

赤道ルーフ2P目 (5.11b)=4便目でレッドポイント

チェシャネコ (5.10d)=オンサイト

人生楽ありゃ苦もあるさ (5.9)=オンサイト

パンピングアイアンⅡ (5.12b)=通算3便目でレッドポイント

 

【門脇 南の磯】

学生気分で (5.10a)=2便目でレッドポイント

チャームポイント (5.10c)=オンサイト

おまつりさわぎ (5.10d)=トップロープで練習し、2回目のトライでテンション無しで登る。これをリードで登るのは相当の勇気がいる。

無名クラック中央 (5.10b)=オンサイト

城ヶ崎でフリークライミング

3月9-10日に城ヶ崎のシーサイドロックでクライミングしてきた。城ヶ崎は2018年の年末にファミリークラックを訪れて以来で、今回でまだ2回目。シーサイドロックは初めて訪れるエリアとなる。

 

サンライズエリア】

スカッド (5.11a)=オンサイト

アーリータイムス (5.10c)=オンサイト

 

【サンセットエリア】

気分は最高 (5.10c)=オンサイト

トムボーイ (5.10b/c)=オンサイト

ピスタチオ (5.12b)=1回トライしたがトップアウトできず。

ホワイトシャーク (5.11c)=3便目でレッドポイント

赤道ルーフ1P目 (5.10c)=オンサイト

アーダンス (5.12a)=3便目でレッドポイント

パンピングアイアンⅡ (5.12b)=2回トライしたが完登できず。3回目で絶対にレッドポイントできる自信があったが、残念ながら時間切れでトライできず。

アイロンヘッド (5.12a)=2便目でレッドポイント

 

足尾 松木沢ジャンダルム中央ルンゼルート・ウメコバ沢中央岩峰右ルート

3月2日に足尾の松木沢ジャンダルム中央ルンゼルート、3月3日にウメコバ沢中央岩峰右ルートを登ってきた。いずれも6ピッチと短いが、アイゼンとアックスで登るとなるとかなり骨のあるルートだった。緩傾斜帯やルンゼには氷雪があり、右ルート5P目に部分的にアイスクライミングのセクションがあるなど、冬らしいコンディションでクライミングを楽しむことができた。オールフリー・テンション無しで完登できたので良かった。

錫杖岳前衛フェース 左方カンテ(敗退)

2月23-24日に錫杖岳前衛フェースの左方カンテルートにトライしたが、敢えなく敗退した。オールフリーで行けるとは始めから思っていなかったが、6P目のチムニー左のフェース部は中間支点が取れないので人工登攀すら許されない。安易に登るとグラウンドフォールするか、さもなくばいっさい身動きが取れなくなって取り返しのつかないことになると思い、ここから同ルートを懸垂下降した。

おそらくフェースに氷のベルグラが張るか、クラックが氷雪で埋まらない限り、6P目は5番か6番のカムを使って厳しいワイド登りで抜けることになるだろう。今シーズンは雪が少ない上に氷の融けがかなり早く進んだので、時期が悪かったという他ない。悔しいという気持ちはあまりなく、自分の限界を超え出たルートで敗退することはいっそ清々しい気持ちになる。

戸隠西岳P5稜

2月17-18日に戸隠山の西岳P5稜を登ってきた。雪が少なく、比較的短時間で登降できた。1750mあたりのプラトー部でテント泊したが、日帰りでも問題なく行けただろう。簡単すぎて不完全燃焼だったので、日曜日に帰宅後はボルダリングジムで課題に打ち込んでいた。

荒川出合 2ルンゼ正面大滝・夢のブライダルベール・右のナメ滝

2月10-12日に荒川出合の2ルンゼ 正面大滝と、3ルンゼ 夢のブライダルベール、右のナメ滝のアイスクライミングをしてきた。夢のブライダルベール 1ピッチ目と3ピッチ目をオンサイトできたのは良かったが、脆い氷柱の集合となった2ピッチ目の核心部は怖ろしすぎて、フォローでありながらテンションをかけつつ登った。

 

 

限界を越え出るような経験

かつて登攀したことのないルートは立ちはだかるがごとくに険しく困難に思え、それゆえに燦然と輝かしいものとして俺の憧憬を育む。しかし、一度完登してしまえば、大半のルートは途端に色褪せ、矮小で取るに足りないものに頽落してしまう。明星山南壁 フリースピリッツも谷川岳一ノ倉沢 南稜フランケも、さらには不帰岳1峰尾根も三峰川岳沢でさえも、なんなく登れたという時点で今となっては始めから登る価値はなかったかのようにさえ感じられる。

これらのルートは、俺が乗り越えることのできる限界の枠内に行儀よくこじんまりと収まっている、小綺麗な家具のようなものに過ぎない。もしリビングに並べられたこれらの調度品がいかに見栄えしているか、その配置が互いにいかなる調和をなしているかを来訪者に説いたりすれば、俺はとたんに自惚れた小金持ちとしてその醜態をさらすことになろう。だがそれ以上に真に俺を怖れさせるのは、グロテスクに飾り立てられたこれらすべてを、まるで正当な請求権を生まれ持った真理専用の人間であるかのように後生大事に抱え持って一生を生き、そしていまわの際になって、水晶玉のように美しく思われていたものが残らず血と糞にまみれた汚物の塊であることを暴露されながら、虚栄とまやかしの恥辱の中で暗い土の底へゆっくりと沈んでいくことではないか?

だから俺がこのようにうそぶくことで、とうてい完登することのできないルートにこそ価値があると言いたいわけではないことをわかってほしい。俺が登ったルートは、俺が登ったというただそれだけの理由で、お前らが登ろうが登るまいが、はなからゴミみたいなものだ。