思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

 

 年金受給年齢を段階的に引き上げる方針には賛成だ。社会保障費の国民負担の軽減と平等を考えるとき、年金、医療費、そして介護費を含めた福祉その他、これらのいずれを削減するかという問題に直面する。このうち、老人医療費を大幅に削減したとしても、年々増大し続ける年金給付費の前には焼け石に水のようなものだ。たとえ福祉の理念に相反するような事態が生じることが予想されようとも、年金制度をなし崩し的に縮小して、生活保護と一本化する形で将来的に廃止せざるを得ない。さもなくば、高齢社会が進行し続ける限り、世代間格差がいっそう深刻な形で再生産され、社会基盤が成り立たなくなる。

そもそも年金制度はその位置づけからして矛盾に満ちたものだ。現代において年金制度は、若い世代から高齢者へ合法的に資産を移転することで格差を再生産する装置へと変質してしまった。それは再分配による福祉の実現に真っ向から歯向かう、反民主主義的な収奪に他ならない。