思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

火曜日と水曜日は有給を使い、「インドへの道」をゆったり読んで過ごしていた。わずか二日だったが、なんと優雅で満ち足りた休息だったろうか! 「インドへの道」は、われわれが異文化に近づこうとするときに落ちこむ陥穽を、二人のイギリス婦人の経験を借りて剔出している。その陥穽とは、新鮮な経験によって人生を試そうとする純真な人間が思わずはまりこむ感覚的な期待というものが、異国の地に足を踏み入れたときにこれまでにない惑乱を受け、手ひどい敗退を喫したという挫折の苦みを味わったあとで、同国人の仲間たちとともに異国の風土を眺めおろす場所へと逃げ帰ることにより、諦観と寛容という衣を着せられたおなじみの人種的偏見へと回収される罠のことである。

アデラ・クウェステッド、ムア夫人、フィールディング、かれらイギリス人がインドといかに出会い、異国において三者三様に変質した期待をいかに受容するかが描かれる。明らかにフィールディングはこの三人の中でもっとも経験を積んでおり、それゆえに自分の人生を試そうとする下心が待ち構える落とし穴を回避する術を知っていた。