思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

チュツオーラ「やし酒飲み」を読んだ。訳者は巻末の解説で、この小説からアフリカ人的世界観というもの(そんなものがあるとしてだが)を短絡的に導出しようとしているが、なぜ、ナイジェリアの一部族出身の作家が書き留めたものに全アフリカに共通する想像力が反映されていると信じこむことができるのだろう? あるいは、多数の国家、数え切れないほどの部族、無数の言語や習俗からなるアフリカについて、なにか共通の想像力や世界観が認められるはずだという訳者の期待はどこから来るのだろう?

いや、この言いがかりはまずかった。ただ、俺は文学を読むときに自己の期待や思想を文学に投影させ、予断していたものを文学に読み取って悦に入る読み方だけは絶対にしたくないのだ。その行為は小説を読むとは言わない。それは単なる自己紹介というものだ。