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思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

24日の夜に俺に何があったか? 

あのとき、クリスマス・イブの夜に俺に何があったか? ロンゴスの恋愛物語「ダフニスとクロエー」を思い出してほしい。牧夫ダフニスは村の少女クロエーと互いに惹かれ合い、やがて野原に寝そべって抱き合ったり口づけをする。しかし、牧夫ダフニスはまだ若く純朴であったために、自分の溢れ出る熱い衝動をどうやって沈めるかが分からず、悶々とした感情に苦しんでいた。それを見て取った村の女が、自分の欲望を満たすことを裏の目的として、ダフニスにひそかに手ほどきをする。ダフニスはこうしてクロエーと思いを遂げ、恋の苦しみを癒やす術を知るのである。

 俺とダフニスの対照は、ちょうどソフォクレスの悲劇「オイディプス王」におけるテイレシアスとオイディプスのそれのようである。オイディプスは自分がどんなことをしでかすのかまるで知らなかったが、それゆえに筋書きを完成させるための行動を知らないうちに首尾よくこなしていた。一方で、テイレシアスは、筋書きの結末こそ知っていたが、事態はかれの前を通り過ぎるだけで、ついに筋書きに関与することはできなかった。

あのときの俺はダフニスでもオイディプスでもなかった。むしろ、知りすぎていたがゆえに、つねに事態が手遅れとなってしまう盲目のテイレシアスだった。この比喩はかなり婉曲的ではあるだろうが、一般に公開される日記としてあのときのことを書くには、それほど回りくどいものだとは思わない。