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思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

ペトラルカ「わが秘密」

今さらではあるが、このブログを書くためのidはwagahimitu、つまりルネサンス期の人文主義者であるペトラルカの対話形式の著作「わが秘密」から採っている。ペトラルカは悪徳にふける自分を教化し唱導してくれる対話相手として、みずからの著作キリスト教的理性を象徴するアウグスティヌスを登場させたのだった。かれは理想的な精神の生活を実現するうえで、キリストの教えから逸脱した、自分の利己的な欲望を取るに足らない、滅却すべきものだと考えていた。しかし、歯止めのきかない欲求を諌める良心をアウグスティヌスに投影したとき、ペトラルカは、自分の燃え上がるような名誉欲や淫らな愛欲を、古代以来1000年間の歴史をもつ干からびた神学では、とうてい理解できないし、抑えこむこともできまいという奇妙な自負を感じたにちがいない。

人文主義者としてのかれの秀でた才覚以上に、そんな屈託した自意識こそがかれを偉大な仕事へと衝き動かしていたという推理が成り立つだけでも、俺がペトラルカを愛するには十分すぎる理由になるではないか。

 

「名づけえぬもの」とともにベケットの三部作をなす「モロイ」「マロウンは死ぬ」の語り手は、ともに題名の通りモロイとマロウンなのであるが、これは英語のmoron=ウスノロから来ていることに気づいた。