就活に苦戦していた頃に書いた自分の日記を読み返すと、なかなかシニックで毒が効いていて面白い。例えば、2015/5/31の日記には、面接の失敗から得た教訓として次のように記してある。
人格や内面は、自然主義の風景画のように澄明でみずみずしくなければならず、手にすくい取れるように実在をともなっていればなお良い、ということらしい。ロマン派と印象派は次点だが可、というところだろうか。その一方キュビスムとシュルレアリスムはここでは排除の対象にしかならず、象形文字的な振る舞いはもってのほかである。
だから俺は自分自身に対してこう進言してみたいと思う。面接においてはコローの描く森や湖のごとくあれ、と。
社会的価値を言語の力で顛倒させてしまおうとする、反骨をむき出しにしたこのあがきはなかなかの見ものではないか。それでいてこの教訓は、人間関係について箴言めいた普遍性が保たれている程度には経験に裏付けされている点が面白い。