「ローマ帝国衰亡史」第一巻を読んだ。ギボンの大著に興味を持った理由は二つある。「文学とは何か」のイーグルトンがその文体を好んでいたというのが一つ。マルグリット・ユルスナールの「ハドリアヌス帝の回想」が気になっていたのだが、ハドリアヌス帝って誰やねん、とつねづね思っていたのが二つ。
古代ローマに著された文学でこれまで読んできたものを列挙すると、マルクス帝「自省録」、カエサル「ガリア戦記」、セネカ「生の短さについて」、キケロ「国家について」、ホラティウス「詩論」、オウィディウス「変身物語」、ウェルギリウス「アエネーイス」、ペトロニウス「サテュリコン」、そして時代はやや異なるがアウグスティヌス「告白」の一部。古代ローマを舞台にした文学作品となると、シェイクスピア「ジュリアス・シーザー」、ブルガーコフ「巨匠とマルガリータ」くらいしか思いつかないが、他にもあるかもしれない。
そんなわけで次はユルスナールを読む。