2015-08-31 ■ 読書 リチャード・ライト「アメリカの息子」第一巻を読んだ。面白い。黒人青年が見知らぬ白人に親しく接されることで、逆に、白人に対する憎悪と屈辱を胸に堆積させる場面は興味深い。親しみを表明するための白人の手つき、顔つき、そうしたすべての一挙手一投足が、かれに自分の黒い皮膚を痛切に感じさせる。それによってかれの存在は、 黒い皮膚にくっついているバッジみたいなもの に還元されてしまうのである。