思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

おれは今 四国の山をほんのちょっぴりだが体験した

無事に下山して帰宅した。脚の疲労がひどいのと、靴ずれのため、三日目に丸山荘経由でエスケープしてきた。トレーニング不足がいけなかった。しかし、今回の敗退はそれだけが原因とも思えない。

 

八ヶ岳だとか槍ヶ岳だとか そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ

もっと恐ろしいものの片鱗を四国の山で味わったぜ…

 

まず、ちち山周辺の登山道は一面がクマザサで覆われていて、トレースすらほとんど消えかかっていた。赤テープが巻いてあることを除けば、バリエーションルートだとしてもおかしくないような登山道である。このため、ちち山をトラバースする登山道のうち、片側が切れ落ちている斜面を見分けることができず、2mほど滑落してしまった。無傷で済んだのは何よりだった。しかし、この登山道の困難さは、こうした直接的な危険の可能性よりもむしろ、ササに覆われた地面を踏みしめるまで、危険の可能性をはっきりと確かめることができないというストレスを登山者に強いつづけることにあると思う。

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そして、不思議なことに、登山道に転がっている岩がことごとく、驚くほど滑りやすかった。原因が登山靴にあるのか、石鎚山脈の岩質にあるのかは定かではない。足を置くには手頃に思えるような平坦部をもつ岩に体重をかけたとき、その岩がほんのわずかの傾きをもっているだけで、いっさい踏ん張りがきかずに、ずるりと足を持っていかれるのである。これまでの登山ではこんな経験はほとんどなかったし、たとえ足を滑らしたとしても、それは、雨か沢の水で濡れ、つるりとした表面をもった岩に不用意に体重をかけたためだった。しかし今回の登山では、これまでの常識が通用しないために、精神を大きく消耗させられた。一度、大きく転倒して薬指をくじき、腕に軽い怪我を負った。骨折せずに済んだのは運という他ない。

 

そんなこんなで、山を登るスリルというよりも、四国の山の圧倒的な理不尽に蹂躙されて下山してきたわけなのである。

 

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