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思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

浅野いにお について

国際会議のポスター発表がアクセプトされたわけだが、参加登録料が30000円ってどういうことなの・・・・

 

浅野いにおの「おやすみプンプン」と「素晴らしい世界」を読んでいる。作者は、いくつかの配色をぎこちなくせめぎあわせつつも、それらを混ぜ合わせて単調な色合いに染め上げることをあえて避けることで、若者のほのかな焦燥感と絶望をゆるやかに描き出していく。しかし、これらの配色を和解させることで、どのような色合いの平安がもたらされるかという解答を、作者は理解しており、われわれ読者にも明らかに見て取れてしまう。そのために、色の群れが自分を相手から分け隔てる境界を保ちつつ物語を織りなすさまを眺めているうちに、われわれは何か見世物じみた予行演習を見せつけられているような気分になる。

以上の喩えは、次のように率直に言い換えることもできる。作者が求める答えはきわめて明快で、同時に、比較的凡庸なものでもあるということだ。しかし、夢物語のような甘い理念をおおっぴらに謳うほど、作者は能天気な軽薄者ではないので、かれはあからさまな答えを前にして踏みとどまり、人生や対人関係に関する、競合し反発しあう見解を、あれこれとじゃんけんのように繰り出しては、やけどをしたかのようにすばやく引っこめている。かれの漫画の魅力は、じゃんけんのルールを守りつつ、それぞれの立場を優しく愛でることのできる、律儀な誠実さにあると思う。だが、そこでは出来合いの見解が物怖じとともに取っ替え引っ替えされるだけで、衝突して何か新しいものが生成されたり、内部から変質することはない。結果として作者は、延々と割り切れることのないじゃんけんの三すくみを漠然と肯定するか、または平安から閉めだされたことに悲観するか、二者択一に迫られる羽目に陥るわけである。