思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

素人の音楽論

19世紀後半から現代にいたるまでのポピュラー・ミュージックのシーンは、記録媒体と再生技術の制約という基盤のもとにおける、音楽性に占める「訴求力」と「可聴性のリズム」という要素の一方的な拡大と、その効率化・最適化の歴史として要約される、という考えを表明してみたい。この音楽史では、メディアによって再生可能でない音楽は流通することができず、音楽は再生可能性という尺度のもとで定義しなおされることになったのだ。では、この過程で淘汰された、流通することのない音楽性とは何かと言えば、それは、メディアでは記録することも再生することもできない、空気の振動そのものであるかのような「不可聴性のリズム」だ。例を挙げれば、和太鼓を叩くときに腹に響く振動である。