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思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

「悲しき熱帯」第一巻を読んだ。数年前に手にとったときは、晦渋な文章を前にして半分ほどで投げ出してしまったのだが、今回は覚悟していたので楽しく読むことができた。いくつか気になるところはあるが、その中でも注目に値する箇所を以下に書き留める。

 

「堕胎や嬰児殺しの慣習と同様、ムバヤ族は彼らの顔を塗り飾ることによって、自然に対する一つの恐怖を表しているのである。この先住民の芸術は、神がわれわれを初めに造り給うた材料であるという、粘土への最高の侮蔑を表明している。この意味で、先住民の芸術は罪と境を接している。」

「人間であるためには、絵を描いているべきであった。自然の状態のままでいる者は、禽獣と区別がつかないではないか。」

 

これと合わせて、インドの悲惨に思いを馳せる箇所で述べられる考察はある意味で興味を引くが、逆に、この文化人類学者の東洋に対する視線に、なにかしら、信用の置けない異物が入りこんでいるという疑惑にも走らせるものである。

 

「私が言おうとしているのは、カーストが異なっているが故に平等であり続ける、つまり、共通に測り得るものを持たないという意味で平等であり続けるという状態に、歴史の流れの中でカーストが到達できなかったということであり、カーストの中に等質性、比較を可能にし、それゆえ身分制度が生まれるのを可能にする、あの人を裏切る薬の一匙が盛り込まれたということなのである。」