思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

われわれに待ち受ける困難は「人生は価値あるもので、唯一無二の経験によって素晴らしい思い出が作り出されなければならない」という強迫観念そのものである。ここで価値の尺度はまったく不問に付されており、経験とは無限に反復される、産業資本による大量生産物のひとつに他ならない。このことはなぜ「あの」経験が価値の高いもので「この」経験は価値の低いものとされるのかを考えてみても理解できる。序列とは単に社会的な階層かその名残が反映されたものか、もしくはメディアが喧伝に努めてきたところの「これ」ではない「あれ」、すなわち代替され表象された「素晴らしい人生」そのものなのである。ところが、まさに価値の価値の不透明性、経験の耐えがたいまでの反復可能な商品性が人生に対する信仰を支える物神として媒介することになる。

物神は私たちを指図して強制的にその枠組のもとへ嵌めこもうとする。それは「人生を楽しめ!」という枠組みである。ジジェクいわく、これが超自我だ。