思ったこと、考えたこと。

日々思ったことや考えたことを日記代わりに綴っていきます。がんばります

俺の限界がたかだか後立山連峰3泊4日だということを認めるのはつらいことだ。俺はなにか人生において手形となるような経験を山で得たいのだ、たとえそれが死であっても。ある凝縮されたひとつの認識を生活のまるごとに投錨させて、この人生が、巨大な錨が海底に沈みこむときに響きわたる重苦しい残響となることを望む。

ダンスと「生い出ずる石」

タイ人のパーティに参加してだいぶ酒を飲まされた。始終ディスコで流れるような洋楽を爆音で流しながら食事をしているのでびっくりした。途中から電灯を暗くして、本当にディスコのようにみんなでダンスを始めたので(あまり踊ろうとしないタイ人もいたが)、気恥ずかしく感じる自分を鼓舞してダンスに参加した。

 

俺は自分に鞭打って奮い立たせるように、不器用ながらも、見よう見まねでさぞ楽しんでいるかのようにダンスをするのだが、こんなときに頭に浮かぶのが、カミュの短編小説「生い出ずる石」において描かれるヨーロッパ人の一技師ーー植民地において、原住民の男に代わって石を背に担い、重苦しく頭蓋にのしかかる石を慄える両腕で支えるひとりの男の姿であるとは。俺は他者と交わるときになんという悲痛な孤独を味わい、この大地を孤独に歩むときに、他者との連帯をなんと力強く感じ取ることか。

最近は年齢がひとつ下のタイ人女性エンジニアとともに仕事を進めているのだが、英語でたがいに相談や質問をしたり、他愛ない会話をしているうちに、その女性に恋してしまった。その彼女から、日曜日にタイ人の飲み会に参加しないかと誘われて、舞い上がるほど喜んだ。俺はなんて惚れやすい性格なんだ・・・どうかしている。

映画「トロイ」を観た。叙事詩イリアス」「アエネーイス」とのちがいを列挙すればきりがないし、ストーリーも無残なものだ。だが、映画で描かれるヘクトルを圧倒するアキレウスのすさまじい膂力は、「イリアス」におけるかれらの一騎打ちの場面を読んだときの印象と重なるところが大きかった。

 

平川祐弘訳の「デカメロン」が文庫化されるようだ。絶対買う。

 

俺は単独縦走がしたいだけ。クライミングとか登攀にまだ興味を持てない。

積雪期大菩薩嶺

 

会社の同期と2人で大菩薩嶺に登ってきた。斜面の向きや日のあたり具合、風の強さによって、体感気温がころころ変わった。登山道の積雪状況も場所によってまちまちで、アイゼンが必須のアイスバーンがある一方で、雪が溶けてどろどろになった道もあった。気温や積雪状況がひんぱんに変わるのがうっとうしく、あまり登山を楽しめなかった。それでも下山してきたときは、2月には場違いとも思える午後の陽気が身体の程よい疲労を包みこみ、爽快な気分を与えてくれた。

黒岳や滝子山までテント泊で縦走してみたかったのだが、俺が寒がりであることを考えると、やはり日帰りで正解だったと思う。

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